注文住宅として一戸建て住宅を新築したとしても、たとえば当初は夫婦ふたりだけの世帯であったものが、子供が成長して手狭になったとか、反対に子供が就職して生家を離れたために、夫婦だけの世帯に逆戻りしたといった、ライフサイクル上の大きな変化をむかえることがあります。こうした場合、かつてのライフスタイルにもとづいてつくられた住宅というのは、それが本来は施主の希望に応じてつくられた注文住宅であったとしても、やはり生活がしにくくなってしまうものです。そこで、いっそ新築住宅に住み替えるという手段もありますが、大規模なリフォームを行うことにより、新築と同様の快適さをふたたび手にすることも可能です。
たとえば、子供が成長したために子供部屋が必要になったという場合であれば、押し入れのような収納スペースのなかでもふだんは使われていないデッドスペースになっているところを活用して、隣接する部屋との間の内壁の位置を工夫することにより、新たな子供部屋をつくるといったことができます。また、リビングのほうが手狭ということであれば、隣接の部屋との間の内壁をとりはらい、一体的に使えるようにするという方法もあります。
この場合には、たとえばキッチンなども思い切って対面式のシステムキッチンを導入するといった工夫により、さらに明るく一家団らんにふさわしい雰囲気のものへと変化させることがきます。また、こうした間取りの変更にあたって、柱に筋交いをプラスするといった、耐震性能を上げるようなリフォームもあわせて行うと、別々に施工するよりも経費が安くなるのでメリットが大きいといえます。
こうしたものとは逆に、夫婦だけの世帯となったのであれば、どちらかといえばリビングでくつろぐ時間が多くなりますので、子供の成長を理由とする場合とはまた違った目的でリビングを広げるようなリフォームを行うということも考えられるでしょう。
また、高齢になって動作の一つ一つがおっくうになってしまっているということであれば、室内の段差を極力なくしたり、廊下などの主要な部分に手すりをとりつけたりといった、バリアフリーに配慮するようなリフォームを行うことも、間取りの変更とあわせて考えてもよいといえます。
このように、リフォームによる間取りの変更は、理由にあわせてさまざまなものが考えられますし、また、単に間取りの変更だけではなく、耐震補強やバリアフリー化といった、別の目的のリフォームも同時に行うと、費用の節約につながるものです。