二世帯住宅と暮らし方

二世帯住宅は、世帯間が協力し合い生活をする合理的な住み方です。二世帯住宅のポイントは、共用の部分とプライベートな部分を分けること、子の世帯が高齢となったとき、今、親の世帯が住んでいるエリアに住み替えることを前提とすることの二つが挙げられます。

注文住宅では希望する二世帯住宅を自由に造ることができます。二世帯住宅では、お互いの生活エリアをすっかり分ける方法も考えられますが、できれば、一日の一定の時間は共に過ごしたいものです。そのためには共に過ごす空間が必要で、リビングやダイニングが考えられます。リビングやダイニングはそれぞれの世帯が暮らすエリアの中間地点に設け、どちらからの出入りも自由にします。なるべく広い部屋とし、高齢者でもくつろげる、畳敷きのスペースを確保したいものです。トイレは別々に必要ですが、浴室は共同の使用が経済的です。使用する時間帯をずらせば、二世帯が共用することも可能で、無駄な光熱費を抑えることができます。キッチンは子の世帯がメインに使う場合、親の世帯にはミニキッチンの設置が便利です。高齢になると、生活時間帯が不規則になる恐れがあり、子の世帯に気兼ねなく料理ができる設備の設置が望まれます。玄関は広めにし、下足入れは分ける必要があります。靴はそれぞれの世帯のプライバシーに属することだからです。

これからの住宅は100年は使い続けることが求められ、構造や工法もそれに合わせて整備され、現代の住宅は長持ちする造りとなっています。新築時には親の世帯が住んでいたエリアにも、いずれ、子の世帯が住むようになることが考えられ、永続的な家系の存続がなされるのが幸せな家庭です。二世帯住宅ではそのことを考慮し、特殊な造りではなく、標準的な造りにしておくことが望まれます。たとえ親の世帯が単身でも、夫婦で住めるスペースを確保し、子の世帯は、いずれ孫の世帯が暮らせるように、一般的な条件を満たした造りとすることが必要です。二世帯住宅は長期的な家族の繁栄を包み込むものでなければなりません。耐久性のある住宅は、柱や梁が太い家です。柱の太さは新築時点で標準的な柱の太さよりも太くし、丈夫な家とすることが大切です。2×4住宅や、軽量鉄骨造のプレハブは、せいぜい持っても50年程度です。100年が目標の二世帯住宅では、柱と梁を組み合わせえた軸組み工法が適しています。屋根は本瓦葺きとし、内装は無垢材や自然素材を使うことで、何世代にもわたって住み続けることのできる住宅ができます。